山下敦弘監督おすすめの映画ランキングTOP5

スポンサーリンク
entry
スポンサーリンク

山下敦弘監督おすすめの映画ランキングTOP5

ともに大阪芸術大学出身の熊切和嘉の下で映画撮影のスタッフをされていたと言う事もあり、浅く薄っぺらい映画は絶対に残さないだろうという期待があります。人間模様を独自の観点から面白く切なく表現できるのは、山下敦弘監督ならではだと思います。

 

 

第5位.山下敦弘「リアリズムの宿」

山下敦弘「リアリズムの宿」がおすすめの理由

漫画家つげ義春の同名漫画をベースにしたという事で、正直どんな風に仕上がるのか興味が湧きました。つげ義春の漫画と言えば、なんと表現したら良いか迷いますが、泥々したタッチの漫画だと思っていたので、実写になったら面白いに違いないという先入観で見始めました。これ以前の映画が濃いだけに、始まってすぐの印象は静かすぎて退屈と感じてしまいました。偶然出会った男女3人が、あてもなく旅をするストーリーで、宿の主のいいかげんさにしても、肩の力が抜けるような空気感は良かったです。観ていた当時は、あの女の子が尾野真千子だなんて、全く気づいていませんでしたが、演技が可愛らしいなと言う印象でした。演出と役者の演技力で日常の中の滑稽さを表現しているので、何だかやから間が悪い、セリフがやから長い、沈黙とか、気まずさで面白味を表現するので、響かない人には響かない映画なのかもしれません。普通のドラマや映画で同じ事をすれば、不完全な仕上がりだなと印象を与えそうですが、そういう演出をさりげなく盛り込むセンスはさすがとしか言いようがありません。

 

 

第4位.山下敦弘「どんてん生活」

山下敦弘「どんてん生活」がおすすめの理由

山下敦弘監督の大阪芸術大学の卒業制作作品として撮った初めての長編映画という事で、気になっていたところ、大学の先輩から借りて鑑賞することになりました。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリを受賞したと言う事もあり、前々から興味がありました。山下敦弘監督はどうしようもない、陽のあたる生活からは程遠い人の描写が生き生きとしているなと感じます。知るよしもない世界かもしれませんが、なんとなく当時の大阪芸術大学の学生たちの暮らしぶりを思い返せば、虚像ではないと言い難いからです。明るい将来が見えないと感じる事など、どのような年齢においても、あることでしょうけれど、特にこの芸術大学と言うのは、学んだところで将来どうなるのだろう、と言うのは他大学に比べて見通しが立たないと思うのは個人的見解でしょうか。観終わったところで、心底ハッピーと到底思えるような映画ではありませんが、卑屈にならないこの登場人物から、何か学ぶ精神があるかもなと思います。平成の若者がこれを観たらどんな感想を言うのだろうと、気になるところです。貴重な映画になると勝手に思っています。

 

 

第3位.山下敦弘「リンダリンダリンダ」

山下敦弘「リンダリンダリンダ」がおすすめの理由

あぁ、バンドがしたい!終わらない歌を歌いたい!と言う気持ちにさせられる映画です。ダメ男の美学みたいなものを美しく面白く表してきた山下敦弘監督が、10代の若い可愛らしい女の子たちをどのように描くのだろうと、想像があまりできなかったのですが、さすがヒューマンドラマを自由に表現できる人だなと感心しました。キラキラした憧れの青春というよりも、学校生活ってこんな感じだったなぁとか、青春真っ只中の自分の学生時代を振り返りたくなるような作品です。また個人的に香椎由宇が好きだったので、好感を持って映画に入れました。とある地方都市の高校が舞台で、高校生活最後の文化祭でオリジナル曲をするはずが、様々なトラブルで夢が叶わなくなり、ブルーハーツのリンダリンダを演奏することになります。あと3日しかないステージまでの短い時間ながら、焦りどころか、まったりした空気感を匂わせるのは、この監督の腕の見せ所かと思います。ありきたりな青春映画のようで、ドキュメンタリー映画のように流れていくのは、監督の世界観が投影されているからでしょうか。

 

 

第2位.山下敦弘「ばかのハコ船」

山下敦弘「ばかのハコ船」がおすすめの理由

東京での事業に失敗した冴えないカップルが、再建しようと戻った地元でも思うように行かず空回りばかりしている話なのですが、見ていて心が荒むような、目に見える失敗を重ね、本当にダメな人生だなと、タイトル通り本当にバカはバカなんだと言いたくなってしまう映画です。夢はあるけど才能はない、なんだか、前作のどんてん生活に引き続き、就職氷河期と言われた時代の若者のもがきながら生きる姿に世知辛さを感じてしまいます。ただ、違う点があって、爆笑するようなシーンはないのですが、含み笑いが続くような、リアリティに富んだ世界です。合間に空想を挟む感じも馬鹿らしくて好きですし、何より山本浩二という俳優さんのダメな男ぶりが素晴らしいと思います。ストーリーの重要な部分ではないのですが、スーパーおざきに流れているBGMがゆるすぎて、未だに耳に残って仕方ありません。そのくらい、些細なセリフだったり、動きだったり、気になる要素に富んでいる映画だとと思いました。

 

 

第1位.山下敦弘「味園ユニバース」

山下敦弘「味園ユニバース」がおすすめの理由

これぞ大阪。全編大阪で撮影しただけあって、紛い物の大阪の描写でないところも良いです。こんな愚かなキャストを集めるのは山下敦弘監督でしかないだろうと思います。味園は大阪のコアなカルチャーを凝縮したような場所で、いかがわしさすら感じる、このような場所にまさかスポットが当てられてしまうとは、と、むしろあの場所がメジャーな映画になって少し寂しさすら感じました。初期の頃の映画に比べて、著名なというか、万人ウケしそうな俳優さんが主人公を演じていて、幾度となくテレビのコマーシャルで見たものだから、つい流されてみることにしたのですが、渋谷すばるの歌唱力の高さに初めて気づきました。ファンの方なら周知のとおりなのかもしれませんが、私には新鮮でした。公園に血まみれのTシャツで現れていきなり周囲を圧倒させる、ポチ男の「古い日記」の歌声。監督が「古い日記」に説得力が出すぎたという真意も分かります。登場人物もみな味わい深い演技で、渋谷すばると、二階堂ふみ演じる2人の心の揺らぎを追いながら、見所がそれだけにとどまらないところが素晴らしいです。

 

 

コメント