高畑勲監督おすすめの映画ランキングTOP5

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高畑勲監督おすすめの映画ランキングTOP5

高畑勲氏は監督としての作品は少ないものの、宮崎駿氏や鈴木敏夫氏らと共にスタジオジブリを設立し、日本のアニメ界を牽引してきた監督の一人です。高畑監督作品は、感情表現豊かなキャラクターや生活感のある日常描写が緻密に描かれており、リアリティのある作品が多くあります。

 

 

第5位.高畑勲「かぐや姫の物語」

高畑勲「かぐや姫の物語」がおすすめの理由

この作品は高畑勲氏が監督として手掛けた最後の作品です。小さい子供でも知っているおとぎ話の「かぐや姫」原作で、古典作品の「竹取物語」を原作にしています。物語は「竹取物語」のストーリーをできる限り尊重している一方で、キャラクターや演出などには、オリジナルの脚色を加え、より魅力的なアニメとなっています。たとえば、原作では金色に光る竹を切るとかぐや姫が現れますが、この作品ではタケノコの先端が広ろがり、その中からかぐや姫が現れます。また、里山暮らしや、仲間たちとともにのびのびと成長していくかぐや姫の姿も描かれています。そのような「竹取物語」にはない、高畑勲氏による独自の解釈に基づいたアレンジは、かぐや姫の人間らしさを表現しています。この作品は、「ホーホケキョとなりの山田くん」の時と同様に、スタジオジブリの作品ではないような雰囲気の作品です。まるで絵筆を走らせたようなアニメであり、繊細で細い線から力強く描き殴ったような太い線まで、これまでのアニメの常識を敢えて外すような独特のタッチで描かれています。その作画に負けない、印象的な劇伴を久石譲氏が担当しており、東京交響楽団による演奏など、音楽にも高畑勲氏のこだわりが伺えます。この作品はまさに、高畑勲氏の遺作として相応しい作品だといえます。

 

 

第4位.高畑勲「太陽の王子 ホルスの大冒険」

高畑勲「太陽の王子 ホルスの大冒険」がおすすめの理由

高畑勲氏初の監督作品で、スタジオジブリを設立する前に制作した長編アニメです。高畑勲氏の「お別れの会」にて、スタジオジブリで一緒に作品を作ってきた宮崎駿氏が、お別れの挨拶で「僕らは精一杯、あの時、生きたんだ」というセリフを引用したほど、2人の思い入れのある作品です。アイヌの伝承をモチーフにした深沢一夫氏の戯曲・チキサニの太陽を基に制作した、アドベンチャーアニメ作品です。人間や動物を苦しめる悪魔・グルンワルドから息子を守るため、父によって他の人間から隔離されて主人公の少年・ホルスは育ちます。ある日、ホルスは岩男・モーグから太陽の剣を託されます。ホルスが少女・ヒルダや動物たちと出会い、村人たちと団結することで、グルンワルドに立ち向かう姿を描いた作品です。古い作品ですが、人の心に潜む弱い部分に打ち勝ち、みんなで団結することで巨悪に打ち勝つという、王道のストーリーで、今でも十分面白く観ることができます。高畑勲氏と宮崎駿氏の原点となる作品ですので一度は観てみることをオススメします。

 

 

第3位.高畑勲「ホーホケキョとなりの山田くん」

高畑勲「ホーホケキョとなりの山田くん」がおすすめの理由

スタジオジブリの作品の中で、一際影の薄い作品です。「タイトルは聞いたことがあるけど、観たことがない」という方も多い作品だと思います。この作品は、いしいひさいち氏のマンガを原作としています。スタジオジブリらしくないタッチで描かれた作品で、いしいひさいち氏による「デジタル彩色でありながら水彩画」のような味わいを目指した作品です。物語は短いエピソードの連なりでできており、それぞれの話の中で、一貫して「適当にやっていてもどうにかなるさ」ということに気付かされます。これまでのジブリ作品のようにワクワクするストーリーというわけではなく、ゆるく「家族の日常」を描いており、盛り上がるポイントもそんなにない作品です。しかし、「もっと楽に生きてもいいんじゃないか」という高畑勲氏のメッセージが詰まっています。忙しい現代社会において、何の気負いもなく観ることができる映画があってもいいのではないでしょうか?興行収入は全く奮わず影の薄い作品ですが、この作品を観ていないのはもったいないと思わせる作品です。

 

 

第2位.高畑勲「火垂るの墓」

高畑勲「火垂るの墓」がおすすめの理由

太平洋戦争末期から終戦後の兵庫県を舞台に戦災孤児となった、兄・清太と4歳の妹・節子が必死で生き抜こうとする姿を描いた物語です。映画は清太が三ノ宮駅で餓死するシーンから始まります。清太の所持品の中には、ドロップ缶に入った少量の灰と骨が入っていました。その缶は近くの野原に投げ捨てられ、空に向かった清太の魂は節子の魂と再会します。2人をホタルの群れが囲み、「昭和20年9月21日夜、僕は死んだ」と清太によるナレーションが入り物語は回想へと移ります。「火垂るの墓」はジブリ映画としては最も暗い映画の一つだと言われており、批判的な意見も多い作品です。一方、肯定的な意見も多く、制作されて30年経ちますが、今もなお影響力のある作品です。以前は夏になるとテレビ放送されていた作品でしたが、近年はあまり放送されていません。小さい頃は怖くてあまり観たくなかった映画でしたが、大人になった今、夏になると「また観たいな」と思っています。好き嫌いが分かれる作品ですが、一度は観ておくといい作品だと思います。

 

 

第1位.高畑勲「平成狸合戦ぽんぽこ」

高畑勲「平成狸合戦ぽんぽこ」がおすすめの理由

多くの狸たちが暮らしていた多摩丘陵は、人間による土地開発が進み、山や森の環境破壊が迫っていました。ある日、住処を取り戻そうと多摩の狸たちは結集し、開発食い止めるべく行動を起こすことにしました。狸の伝統的変化術であるバケガクを復興することと、四国と佐渡の化け狸に助力を乞いました。バケガクを習得しま多摩の狸たちは、開発を阻止するため、お化けに化けて人間たちを追い出そうとしますが、失敗に終わります。諦めない狸たちの抵抗を描いた作品です。しかし、この作品は「狸たちが力を合わせて自然破壊をする人間たちをやっつける」という結末にはなりません。それは、「ファンタジーで物事を解決しても現実で生きる力にはならない」と考えている高畑監督の作家性が強く働いていることが理由とされます。それでも、「セイヤッハッ」と耳に残るフレーズと共に狸たちが変身していくシーンは印象的で面白いです。自然破壊について考えさせられる作品ですが、人間、狸など生き物の強かさ、順応力に関心する作品です。

 

 

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