キャスリン・ビグロー監督おすすめの映画ランキングTOP5

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キャスリン・ビグロー監督おすすめの映画ランキングTOP5

女性監督(しかも美人)とは思えない男臭いハードアクションや人間ドラマが得意というギャップが、好きな一番の理由です。派手なドンパチやスタントばかりに頼ることなく、女性らしく登場人物の心の機微を丁寧に描くことを基本としているので、どの作品も感情移入しやすく非常に重厚で見ごたえがあります。元夫であるジェームス・キャメロン監督と米アカデミー賞のショーレースで競い合い、見事女性初のオスカーを勝ち取ったほどの実力者なので、彼女が新作を発表するたびに「今度は一体どんな凄い作品が観られるのか?」とワクワクしてしまいます。

 

 

第5位.キャスリン・ビグロー「K-19」

キャスリン・ビグロー「K-19」がおすすめの理由

東西冷戦時代に実際起きた旧ソ連の原子力潜水艦炉心融解事故を題材にした作品で、ハリウッドがかつての敵国海軍の英雄譚を描くあたりに時代の流れを感じます。「潜水艦映画にハズレなし」というのが映画ファンのあいだでは定説ですが、本作もその例に漏れず実話の映画化だからこそ尚更鑑賞して損のない高いクオリティとなっています。極限状態の閉鎖空間で繰り広げられる壮絶な人間ドラマは、ハリソン・フォードやリーアム・ニーソンといったベテラン俳優陣による見事な演技合戦によって「ロシア人が英語をしゃべってる!」なんて野暮な突っ込みを忘れさせるほど圧巻の一言。戦争アクションとして観ると地味な展開に面喰いますが、軍事サスペンスとして観れば見ごたえは十分にあると思います。なお、終盤は話のスケールが全面核戦争の危機にまで発展しますが、さすがにこれは脚本家が勝手に考えたオリジナルストーリーなので、そこは娯楽と割り切って素直に楽しみたいところです。

 

 

第4位.キャスリン・ビグロー「デトロイト」

キャスリン・ビグロー「デトロイト」がおすすめの理由

観客に史実を追体験させる作風は近年のビグロー監督のお家芸ですが、この作品の高い再現性からもたらされる圧倒的な緊迫感は、もはや『ゼロ・ダーク・サーティ』を超えたといっても過言ではありません。この映画を観て真っ先に感じたのは、アメリカ社会が過去の教訓から少しも学んでいないという現状への虚無感です。トランプ政権誕生以降、アメリカ全土を包み込んだ人種差別問題。その不穏な世の動きを反映するかのように制作された本作は、現政権が推し進める白人至上主義政策へのいわばカウンターだったといえます。現に有色人種に対する警察の過剰捜査は今も変わらず横行していますし、公然と差別発言を繰り返す輩も大勢います。こうした差別主義者の恐ろしさを体現して見せた悪徳警官役のウィル・ポールターは、自身の役柄があまりにも冷酷過ぎて演じるたびに現場で泣いていたといいますが、それだけ彼の演技は凄まじいものがあり、こんなことが二度とあってはならないと思わせる説得力があるのです。

 

 

第3位.キャスリン・ビグロー「ゼロ・ダーク・サーティ」

キャスリン・ビグロー「ゼロ・ダーク・サーティ」がおすすめの理由

実話の映画化作品は数多く存在しますが、最近の極秘軍事作戦をここまで克明に描いたものはさすがに珍しいのではないでしょうか?本作は『ハートロッカー』に続くビグロー監督お得意の戦争巨編で、あのアルカイダの指導者であるオサマ・ビン・ラディンをアメリカ政府がどのように追い詰めていったのかを女性情報分析官、政府関係者、特殊部隊の3視点から追体験することができます。そのため、内容は「こんなことも見せちゃって大丈夫なの?」と心配になってしまうほどディテールが細かく、脚色や映画的ウソは多分に含まれているにせよ、大衆娯楽で手の内を明かしてしまうアメリカ政府の懐の深さには脱帽するばかりです。終盤の屋敷強襲シーンでビン・ラディンをまるでハンティングされるただの獲物のように描写する冷徹さと、作戦終了後に分析官が流す涙で戦争の虚しさを表現する冷静さが実に印象深い1本。2011年春のアメリカは、震災で疲弊した日本に優しく手を差し伸べる一方で、こんな血生臭い軍事作戦を展開していたのかと思うとなんだか複雑な気持ちになってしまいます。

 

 

第2位.キャスリン・ビグロー「ハートロッカー」

キャスリン・ビグロー「ハートロッカー」がおすすめの理由

実際に世界中で軍事介入しまくっているアメリカだからこそ作れる恐ろしいほどリアルな戦争映画で、公開当時はあまりの緊張感に劇場内の空気がピリピリと張り詰めていたのを今でもよく覚えています。そもそも、主人公が戦争ジャンキーの爆弾処理班だなんて正気の沙汰とは思えませんし、イラク派兵の真っ最中にこういう反戦映画を危険な中東で撮ってしまうあたり、監督の男勝りの度胸には心底驚かされます。この作品で一貫して描かれているのは人間の狂気そのもので、手製爆弾を平気で一般市民の体に巻き付けるテロリストも、爆弾を分厚い防護服とたった1個のペンチだけで解体しようとする米兵も、すでに常人には到底理解できない境地の中で生きているわけです。そんな壊れてしまった人間たちの姿を鋭くえぐり出したのが本作であり、内容が真に迫っているからこそ上映時間130分のあいだに我々は何度も魂が揺さぶられ、最後には戦争という人間の愚行に本気で嫌気がさすのです。

 

 

第1位.キャスリン・ビグロー「ハートブルー」

キャスリン・ビグロー「ハートブルー」がおすすめの理由

クライムアクションとエクストリームスポーツを融合させるという斬新なアイデアにより、マンネリ化したアクション映画に新たな方向性を見いだした傑作としてお気に入りの1本です。CGがまだ物珍しかった90年代初頭の作品だけに、全編を彩るサーフィンやスカイダイビングが全部本物というのがひとつのハイライトとなっていて、このインパクトがあまりにも強烈だったおかげで本作以降は似たような作品がいくつも量産されました。アクションがスゴイだけなら一発屋で終わりそうなものですが、この作品があの大ヒット作『ワイルド・スピード』に影響を与えたり、20年以上経ってからリメイクまでされているのはやはりストーリーも魅力的だからです。強盗集団のカリスマリーダーとFBI捜査官という立場がまったく異なる男同士が、潜入捜査を通じて奇妙な友情を育んでいく姿を女性監督ならではの繊細な演出で見事に描き切っているところが、まさに映画ファンのハートをつかんで離さない大きな見所となっているのです。

 

 

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