ジョン・ウー監督おすすめの映画ランキングTOP5
ジョン・ウーの魅力はなんと言ってもガンアクションに尽きます。どの辺が凄いのかというとそれまでの映画に於ける銃撃戦というのは銃を撃つ側を正面から写したカットと銃で撃たれた側を写したカットとを分割して「発射」→「着弾」という構成にしていたのに対しジョン・ウーの銃撃戦は銃を撃つ側と撃たれる側を同一フレーム内に収め、発射から着弾までをワンカットで見せているところです。これにより圧倒的な臨場感が生まれていてとても熱くなれるので好きです。
第5位.ジョン・ウー「狼たちの絆」
ジョン・ウー「狼たちの絆」がおすすめの理由
この作品は男たちの挽歌シリーズとは打って変わってコメディ路線の一本。チョウ・ユンファとレスリー・チャンが泥棒コンビとして活躍する、日本で言えばルパン三世みたいな作品です。はっきり言って脚本はかなり時代を感じさせるもので90年代のトレンディドラマのような軽薄さで今見るのはキツイ。でもこの作品を嫌いになれないのはやはりアクションシーンのクオリティが突き抜けているから。ドラマ部分からアクションシーンに切り替わるとそれまでの緩慢な印象が一変、一気に泣く子も黙るジョン・ウー映画に早変わり。男たちの挽歌2のクライマックスと肩を並べる壮絶なガンファイトが繰り広げられます。ただそれまでの挽歌シリーズと決定的に違うのはそんなアクションシーンにも遊び心が追加されている点。敵がなぜか銃を使わずトランプのカードを投げて攻撃してきたり、チョウ・ユンファが突然ジャッキー・チェン顔負けのカンフーを繰り出したり、ニヤリとできるシーンがてんこ盛り。ジョン・ウーがハリウッドに渡る直前の作品と言うことで一つ一つのアクションにもアイデアが満載で円熟味を堪能できる一本です。
第4位.ジョン・ウー「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」
ジョン・ウー「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」がおすすめの理由
これも男たちの挽歌とタイトルが付いてますが挽歌シリーズとは全く関係ない作品です。例によってチョウ・ユンファ主演ですが、あのインファナル・アフェアのトニー・レオンも出ています。この作品はラストの病院でのアクションシーンに尽きます。何回か見てますが正直そこまでのストーリーはよく覚えていません(笑)。一番の見所は主人公たち二人が病院の廊下を敵を次々に撃ち殺しながら進んでいくのをワンカットに収めた長回しシーン。男たちの挽歌1作目で見せた「ワンフレームに撃つ側と撃たれる側を収める」という手法を全開に活用した緊張感溢れる名シーンです。ゲームのFPSを先取りしたようなカメラワークでとにかく臨場感が凄いです。ガラス越しに撃ち合う敵組織の殺し屋との一騎打ちのシーンがまた素晴らしく、よくこんなに面白いアクションのアイデアが思いつくなと感心してしまいます。そして最後はとんでもない火薬量で病院を木っ端みじんに吹き飛ばす怒濤の爆発シーンで締める本作。細かいことは考えず、スカッとしたい時に見たい一本です。
第3位.ジョン・ウー「狼 男たちの挽歌・最終章」
ジョン・ウー「狼 男たちの挽歌・最終章」がおすすめの理由
この作品は「男たちの挽歌」というタイトルが付いてますが男たちの挽歌シリーズとは直接の関係はありません。ですが内容的には挽歌シリーズの続編と言っても良いぐらい熱いです。ジョン・ウーの代名詞である「白い鳩」が初めて登場するのがこの作品のクライマックス。教会に追い詰められた主人公の二人がワラワラ沸いてくる敵相手に無謀な銃撃戦を繰り広げます。何発入ってるんだよ!と思わず突っ込みたくなるくらいいくら撃っても弾切れしない銃、普通なら絶対死んでるはずの無数の弾を食らってもピンピンしてるチョウ・ユンファ、徹底的にかっこよさを追求した殺陣。飛んだり跳ねたりしながら縦横無尽に撃ち尽くすジョン・ウー流ガンアクションの美学がついにここで臨界点に達しています。またアクションだけでなく台詞のハードボイルドっぷりもますます磨きがかかっていて必見。共演のダニー・リーはとんでもないナルシストという情報をどこかで見たので普段からああいう台詞を言い慣れてるのかもしれないですね。とにかくキザでハードボイルドなジョン・ウーが見たいという時に最高におすすめな一本です。
第2位.ジョン・ウー「男たちの挽歌2」
ジョン・ウー「男たちの挽歌2」がおすすめの理由
香港ノワールという一大ムーブメントを作り出した男たちの挽歌シリーズの2作目。前作と同じくチョウ・ユンファとティ・ロンが主演しています。もちろんこの二人は相変わらずカッコイイんですが、2の見所はなんといっても偽札製造組織のボス、ルン役のディーン・セキでしょう。まず顔がジャッキー・チェンとウッチャンナンチャンの内村を足して2で割ったような優しい感じで全然偽札組織のボスに見えません(笑)。ジャッキー映画にも出てたので顔を見れば分かる人も多いんじゃないでしょうか。そんな彼が娘を殺され精神病院に収容されるんですがそこでの廃人演技が凄まじい。白目を剥きヨダレを垂らしながら痙攣する姿が悲惨で思わず目を背けたくなるような迫真の演技。ジャッキー映画ではコミカルなキャラばかりだった彼がこういう演技もできるというのは香港映画界の奥の深さを痛感します。そして挽歌2といえばやはり仇を取るために敵地に乗り込むクライマックスの銃撃戦!ワイルドバンチよろしく横一列になって死地へ向かう主人公たちのカットバックから、ショットガンに手榴弾、果ては日本刀まで入り乱れる大殺戮シーンは映画史上に類を見ない最高にエキサイティングなシークエンスです。1年に数回は必ずブルーレイでこのシーンを見てしまうくらい大好きな名シーンです。ジョン・ウー映画に興味を持てない人はまずこのシーンだけでも見てみてください。必ずハマるはずです。
第1位.ジョン・ウー「男たちの挽歌」
ジョン・ウー「男たちの挽歌」がおすすめの理由
やはりジョン・ウーといえばこの香港ノワールの金字塔「男たちの挽歌」でしょう。主人公の二人がとにかくカッコイイ!ロングコートにグラサンを掛けた最高にハードボイルドな見た目で二丁拳銃をぶっ放すチョウ・ユンファ。彼は義理堅い任侠の世界でその義理堅さ故に煮え湯を飲まされ、地面に這いつくばるような生活をさせられます。プライドも何もかも失ってしまったかに見えた彼が最後に見せる男気に魂を揺さぶられない人間はいないんじゃないでしょうか。相棒の敵を討つため単身乗り込むレストランでのガンファイト、仲間に裏切られプライドをズタズタにされ「俺はこのままでは終わりたくない!」と叫ぶ独白シーン等男泣きの名シーンの連続。銃撃戦については続編の男たちの挽歌2の方がより凄まじく完成度も高いので順位付けするのはなんとも難しいのですが香港ノワールの幕開けを高らかに宣言した作品としての価値を鑑みてこの男たちの挽歌1作目がジョン・ウーの最高傑作で間違いないでしょう。
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