デヴィッド・リンチ監督おすすめの映画ランキングTOP5
デヴィッド・リンチワールドという言葉がよく言われるとおり、作家性が非常に強く、他にはない映画体験が出来るところが魅力的です。シュールレアリズム的アプローチが印象的で、個性的な映像が、どの作品でも見ることが出来ます。
第5位.デヴィッド・リンチ「インランド・エンパイヤ」
デヴィッド・リンチ「インランド・エンパイヤ」がおすすめの理由
デヴィッド・リンチの映画は他の多くの作品でも言える事ですが、ストーリーを通常の映画を見慣れていると戸惑うことがあります。何故ならストーリーが時系列が並べられ、理解しやすいよう、観客に向けて作られている事がほとんです。『インランド・エンパイヤ』はどこからいつ何が起きているのか、理解が困難な映画です。誰が何をしてどうなったのか、いつ誰が何処に行ったのか、映画内で説明されることはありません。そんな、まるで夢の中にいるような、現実と虚構の世界に迷い込んでしまったような、不思議な感覚が魅力的な映画です。リンチ監督はこの映画を制作するにあたって、デジタルビデオカメラを利用し、ハリウッドにある自宅を中心にバラバラに撮られシーンを編集で繋ぎ、ストーリーを構築して作りました。ハリウッドに住む女優グレイスを演じるのはローラ・ダーンで、彼女は『暗い明日の空の上で』という映画の主演に抜擢されます。撮影が進み不可解なことが次々と起こります。
第4位.デヴィッド・リンチ「マルホランド・ドライブ」
デヴィッド・リンチ「マルホランド・ドライブ」がおすすめの理由
アメリカハリウッドにあるマルホランドという道路で事故が起こり乗っていた黒髪の女性は、とある一軒家に忍び込みます。女優を目指してハリウッドにやってきたベティは女性に名を聞くと、事故の影響で記憶を失っていた彼女は、とっさにリタと答えました。リタの記憶を取り戻すべくベティは手を差し伸べます。二人の身の回りでは不可解なこと置きます。クラブ「シレンシオ」に、行き着いたのち、そこから二人は突然親密な関係になり、女性同士、恋愛関係になっていきます。映画後半は同じ人物のハズなのに名前が違ったり、性格が変わっていたり色々変わっています。どしてこうなったのか映画の細部にまで考え巡らして鑑賞すると、解釈が成り立っていき、発見がある作品です。見る人によっては解釈が違ったりするかも知れません。推理小説のような、しかしそれとも違う映画体験で虚実がわからず混乱していきます。ビリー・ワイルダーの1950年『サンセット大通り』のオマージュも見られます。
第3位.デヴィッド・リンチ「ロスト・ハイウェイ」
デヴィッド・リンチ「ロスト・ハイウェイ」がおすすめの理由
1997年に制作されたフランス、アメリカ合作の『ロスト・ハイウェイ』は、後に作られるデヴィッド・リンチ監督作品、2001年の映画『マルホラン・ドライヴ』によく似た構造を持った映画です。それは前半と後半のストーリーが繋がっているのか、繋がっているのか良く分からない点で非常に似通っています。登場人物は一緒でも(前半と後半で)髪の色が違っていたり、主人公が変わっていたりと何かが違うのです。やはり他の作品同様、何処かこの世界ではない場所へ連れていかれてしまったという感覚に、見る人は陥ります。そんな通常の映画では体験できない体験をした人には、好奇心をくすぐるような映画を求めている方にはおすすめの作品です。ホラー映画ともサスペンス映画ともジャンル不明でまさにリンチ映画炸裂、という感じで観客を魅了します。冒頭の夜のハイウェイを車が走るシークエンスから、不気味なシーンの連続でエンディングまで目が離せません。
第2位.デヴィッド・リンチ「ブルー・ベルベッド」
デヴィッド・リンチ「ブルー・ベルベッド」がおすすめの理由
デニス・ホッパーが常軌を逸した男を演じ話題となった作品です。この麻薬組織に係る裏の世界の男フランク・ブース(デニス・ホッパー)はクラブ歌手のドロシー・ヴァレンズ(イザベラ・ロッセリーニ)の夫と息子を監禁し、ドロシーを言いなりにさせていました。ドロシーにさせている行為がベルベッドの切れ端を口に咥え、彼女を押し倒して訳の分からない事を叫ぶ怪演が見事です。というより頭おかしいです。ありえないです。この事件を知ったジェフリー・ボーモント(カイル・マクラクラン)は探偵の如く詳細を追っていきます。しかし事件に自身も巻き込まれ、危険な目に合います。このジェフリー目線で映画は進行していきますが、なにか見てはいけないものを見た、知らない世界を垣間見たような、のぞき見をしているような作品です。アルフレッド・ヒッチコックの映画『裏窓』のような魅力があり、とても暴力的で倒錯した映画です。リンチ監督常連の音楽家、アンジェロ・バダラメンティ初タッグで、サントラも魅力的です。
第1位.デヴィッド・リンチ「イレイザー・ヘッド」
デヴィッド・リンチ「イレイザー・ヘッド」がおすすめの理由
監督の長編映画デビュー作で、カルト映画の金字塔。モノクロの映像で、終始不気味で音響ノイズが全編に響き渡り、緊張感途切れない作品です。デヴィッド・リンチワールド全快の今作は、5年の歳月をようして作られ、まだ無名の監督の意気込みや作りこみが、映像から溢れんばかりに伝わってきます。俳優ジャック・ナンスが主演を務めたヘンリーは、メアリーとの間にできた赤ちゃんを育てます。しかしその赤ちゃんの風貌はとても人間には見えず、奇怪な姿をしています。フィラデルフィアにある好環境とはとても言い難い工場地帯で金属音が鳴り響く自宅で、子育てに奮闘しています。そんな段々とノイローゼになっていくメアリーは実家に戻ってしまい、仕方なくヘンリー1人で赤ちゃんを見ます。途中、病気になりいい状況ではありません。赤ちゃんは気味悪く声を出したり、体は吹き出物だらけで最終的には巨大化し、ヘンリーに迫っていきます。この映画はリンチ監督の不安を映した映画であり、強烈な映像体験です。
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