スタンリー・キューブリック監督おすすめの映画ランキングTOP5

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スタンリー・キューブリック監督おすすめの映画ランキングTOP5

一筋縄ではいかない気難しい人というイメージですが、やはりそうであるから数々の素晴らしい作品が残せたのだと思います。映画監督は、時に彼の様にわがままであるべきだと感じます。それに圧倒的な映像美、彼が完璧主義者でなければ、あそこまで美しい作品にはならなかったでしょう。

 

 

第5位.スタンリー・キューブリック「ロリータ」

スタンリー・キューブリック「ロリータ」がおすすめの理由

原作はウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』。アメリカにやって来た文学者であるハンバートが、未亡人に下宿を借りる所から物語は始まります。彼の目当ては明らかに娘のロリータであり、その母親ではない。しかし彼はロリータの傍にずっと居たいが為に母親のシャーロットと結婚。主人公のハンバートを始め、登場人物は皆それぞれに身勝手で、自分の事しか考えていない様に見えます。よって皆が寂しい。母親のシャーロットも、あの状況で何も感じ取れなかったとは、鈍感としか言いようがないです。しかしロリータがサマーキャンプに行っている間に、シャーロットが事故死する所から、ストーリーが急展開を見せます。ロリータと2人で暮らす事になったハンバートが、嫉妬深くなりどんどん豹変していくのが気持ち悪かったです。しかしそれも長く続かず、ハンバートは哀れにも他の男性にロリータを奪われてしまう。若い娘を愛してしまった1人の男性の哀しみが描かれていて、良いと思います。尚ナボコフのロリータは、1998年にも別の監督から映画化されています。

 

 

第4位.スタンリー・キューブリック「突撃」

スタンリー・キューブリック「突撃」がおすすめの理由

1957年の反戦映画。「異色の反戦映画」などと言われている事もありますが、この様なスタイルで描かれる作品は大変好ましいものだと思います。なぜなら、グロテスクな戦闘シーンや勇敢に戦う兵士の姿を観せられても、なぜ戦争は起こるのか?については考えにくい気がするからです。本作品は第1次大戦中の、フランス軍が舞台になった物語です。ダックス大佐が率いる連隊に対して、ミロー大将から突撃の命令が出されるのですが、兵士達があまり言う事を聞かなかった。この事にキレたミロー大将が、ダックス大佐が率いる兵士達が突撃命令に従わなかったとして、3人の兵士を選ばせ軍法会議にかけます。ストーリー後半は主にその軍法会議のシーンです。懸命に庇うダックス大佐の努力もむなしく、見せしめの様に銃殺にされる、3人の罪のない兵士。それにしても大佐や兵士が戦いを強いられているのも拘わらず、大将らは豪華な部屋で昼間から酒を飲みながら、自分らの昇格の事ばかり気にしている。いけ好かない奴ら。そもそも突撃の命令を出したのも、自身の出世と関係があったから。これは戦時中の話ですが、現代社会に於いても組織内でこの様な事が行われていないかなと、大変考えさせられる作品でした。目の前で信じられない事が行われているのに何も言えない、分からない人物でいない為にも何度も鑑賞したい作品だと思います。

 

 

第3位.スタンリー・キューブリック「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」

スタンリー・キューブリック「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」がおすすめの理由

1964年製作、イギリスとフランスの合作映画です。また本作品内ではイギリスの喜劇俳優、ピーター・セラーズが1人3役も演じた事が有名です。ストーリーはアメリカの頭のおかしくなった空軍司令官リッパ―が、米空軍のマンドレーク大佐にソ連への核攻撃を命じる所から始まります。R作戦と言われている、その作戦とは演習と違い本物の攻撃と言う事。ソ連近辺の上空を飛んでいるB52爆撃機は、ソ連からの急な核攻撃に備えた筈のものでした。B52爆撃機の機長は自らの耳を疑いますが、基地に確認を取った後指令を実行に移します。ここまでの流れを観て、えっそんな事で?と思いました。怖いです。またこの知らせを聞きつけた政府の首脳部の人達はペンタゴンの会議室に集まり、話し合いを始めます。ここで行われる会話など笑えないものでありながら、大いに笑いに溢れている。またオープニングのタイトルバックの、おしゃれだけどやる気のないフォントは、パブロ・フェロというグラフィックデザイナーが手掛けたものです。今観ても古めかしさを感じず、むしろ新鮮。不思議なロゴデザインです。

 

 

第2位.スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」

スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」がおすすめの理由

この映画が公開されたのは1968年ですから、監督はよく宇宙の事がこんなに上手く想像出来たなと思いました。またキューブリック作品だけあって、宇宙船内の家具や人物描写にもこだわりがあり美しい。白を基調にしているせいか潔癖に近い程、清潔感のある映像が印象深いです。中でも宇宙飛行士らと共に旅をしていた人工知能のHALがなかなかの曲者で、この長い作品の中でも1番好きなキャラクターです。HALはコンピューターなのですが、まるで感情を持っているかの様。どちらかと言えば他の宇宙飛行士らよりも人間っぽいです。宇宙飛行士らがHALに話を聞かれない様に、ポッドの中で内緒の会話をするのですが、密かに唇の動きを読んで会話を聞いているのが怖い。その後HALが思いがけない行動に出るのですが、恐ろしい事が起こっているのに音がとても静か。宇宙を感じるシーンでした。昨今のSF映画でもこのHALに対してのオマージュシーンとして、誤作動を起こすコンピューターなどの描写が用いられる事があります。

 

 

第1位.スタンリー・キューブリック「シャイニング」

スタンリー・キューブリック「シャイニング」がおすすめの理由

冬の間雪山の閉鎖されるホテルの管理人を任された小説家志望のジャックが、次第に狂気に呑まれていく様をおどろおどろしく描いた大傑作ホラー。スティーヴン・キング原作作品。恐怖映画であるにも拘わらず、スクリーンに映し出される光景は美しく、よくあるホラー映画の様にグロシーンの連発と言う訳ではないです。そのホテルは過去に管理人を任された人物が、孤独感から家族を惨殺し自分も自殺に追いやられたといういわくつきのホテルでした。しかし教員の仕事を辞めてしまっていたジャックは、収入源も必要なので、妻と子供を連れてそのホテルに出向きます。従業員達も皆自宅に引き上げ、ガランとした美しい造りのホテル。ジャック役を名俳優ジャック・ニコルソンが怪演。家族3人のみとなったホテルで次第に様子がおかしくなっていくジャックの姿が、ありありと描かれます。斧でトイレの扉を壊すシーンは、あまりにも有名。それぞれのシーンに描き出される小道具などにも、メッセージがたくさん詰まった作品です。また残虐性は、環境的な孤立から発生するとも解釈出来るなと思いました。

 

 

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