園子温監督おすすめの映画ランキングTOP5

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園子温監督おすすめの映画ランキングTOP5

園子音監督は古臭いと言えるぐらい、職人気質の強い監督です。文学性の高いストーリーやセリフ、芸術的な絵画のようなシーンがどの作品においても魅力です。一方で、いかにも商業的な娯楽作品もさらり撮ってしまう小気味良さも持ち合わせています。

 

 

第5位.園子温「ひそひそ星」

園子温「ひそひそ星」がおすすめの理由

ある届け物を届けるために、果てしない時間と空間を越えて、惑星から惑星へ旅を続けるアンドロイドの物語です。主役の女性型アンドロイド・鈴木洋子を演じるのは神楽坂恵さん。園監督の奥様であり、園作品には欠かせない素晴らしい女優です。この作品は比較的新しい作品になりますが、その原案は園監督がまだ日の目を見る前の下積み時代に書かれたものです。若き日の園監督の頭の中を、たくさんの経験と技術を積んだ現在の園監督が見事に作品化しています。ジャンルとしてSF?になるようですが、冒頭のシーンからも分かるように、どこか懐かしさを感じさせる風景がいくつも現れます。たとえば惑星間を旅する宇宙船の中は、スターウォーズで見るようなコックピットとは全く異なり、そこに広がっているのは昭和をほうふつとさせるような、ただの「六畳一間」の住まいそのものです。荒涼と広がる砂漠にポツンとあるタバコ屋。自転車を引きずって歩く男。その全てがシュールに描かれ、どこか郷愁を刺激する不思議な作品です。

 

 

第4位.園子温「地獄でなぜ悪い」

園子温「地獄でなぜ悪い」がおすすめの理由

「ひそひそ星」とは打って変わって、「地獄でなぜ悪い」はとにかく賑やかでハチャメチャでいい意味で騒がしい作品です。わが娘を映画デビューさせることを切願しているヤクザの組長や映画オタクの男、組長の娘、一般人、敵対するヤクザの若頭が入り乱れ、ストーリーは二転三転しながら物凄い勢いで進んでいく痛快な作品です。さらに、園監督作品の中でも随一の豪華なキャスト陣も見逃せません。まさに邦画の顔である堤真一や、独特な魅力で活躍する二階堂ふみ、そして「逃げ恥」でブレイクする前の星野源がメインキャストとして出演。園監督は割と無名の新人女優を育てることに定評があるのですが、この作品はどちらかというと人気俳優たちのオールスター戦のように楽しめます。そして何より、この作品には園監督自身が抱く映画への愛情が随所に溢れています。2018年にヒットした「カメ止め」も映画愛に満ちた内容で多くの映画ファンから好評を得ましたが、「地獄でなぜ悪い」のラストシーンも同じく映画ファンに愛される重要なシーンです。

 

 

第3位.園子温「愛のむきだし」

園子温「愛のむきだし」がおすすめの理由

園監督の代表作として紹介されることが多いのが「愛のむきだし」です。なんと3時間50分以上の超大作です。映画作品に概ね2時間前後のものが多いのは、映画館で上映する際の回転率の都合によると事が大きい中で、「愛のむきだし」のように型にはまらない作品のイメージが強いせいで、園監督のイメージが「頑固な芸術家肌」に偏っているのかもしれません。長いからといって、冗長な訳では決してありません。私は最初に観た時、あまりにのめり込み過ぎてその長さをすっかり忘れてしまうほどでした。物語のテンポもいいのですが、それだけでは4時間近くの間、鑑賞者を飽きさせないことはできません。宗教やエロス、そして愛。言葉にするとシンプルなのですが、それぞれの思いを持ったそれぞれの個性的すぎるキャラクターたちが、必死に、感情をむきだしにしながら絡み合っていくストーリーには圧巻です。園監督に漠然としたイメージを持っている人は、もしかすると「グロい」「胸糞悪くなる」「とにかくエロい」といった印象があるかもしれません。でも、そんな人にぜひ観て頂きたいです。「愛のむきだし」のラストシーンで、私は大号泣しました。

 

 

第2位.園子温「TOKYO TRIBE」

園子温「TOKYO TRIBE」がおすすめの理由

原作は同名のマンガ作品とのことですが、原作とはかなり違う印象のようです。その監督は原作をもとにした作品を撮ることも少なくないのですが、そのいずれも原作に縛られることなく、おそらく挙がるであろう原作ファンからの批判も気にせず、「園ワールド」としか形容できない世界観を創り上げてしまいます。「TOKYO TRIBE」を一言で表すと「園流ヒップホップミュージカル映画」です。ミュージカル映画では「ラ・ラ・ランド」を思い浮かべる人も多いですが、やはり音楽のジャンルが異なるとこうも違うものになるのかと驚きます。出演者は本物のラッパーがほとんどで、エキストラも含めた大掛かりなオーディションを行い、本物のヒップホップの現場にある感覚やにおいを大事にして撮影したそうです。もちろん脇を固める俳優陣も魅力です。窪塚洋介、竹内力、染谷翔太など、曲者ぞろいの俳優陣の個性的な演技もこの作品の大きな魅力です。少なくともヒップホップ好きの方には、間違いなくハマる作品です。

 

 

第1位.園子温「ヒミズ」

園子温「ヒミズ」がおすすめの理由

冒頭のシーンは、まだ復興には程遠い福島県で撮影されました。「ヒミズ」の制作中のかの東北大震災が発生し、園監督は当初の予定にはなかった「被災」「被災地」といったテーマをねじ込み、その結果、原作で描かれた少年の物語に、さらに普遍的な絶望と希望を加えることに成功しました。自由奔放に暮らす母と憎しみしか持てないようはひどい父親の間に生まれた主人公の祐一と、祐一に恋する少し変わった女の子の景子。どこにでもいるような2人でありながら、想像を絶するほど過酷な環境で生活している二人が、衝突したり、協力したりしながら、絶望の中からどうにか希望を見出そうともがき続ける作品です。祐一を演じる染谷翔太、景子を演じる二階堂ふみの両者の類まれなる演技力には、観るたび心を強く打たれ、感動を誘います。様々な時代背景や厳しい環境をうけて、2人が走り出すラストシーンは、観る人全ての心の中に、小さな希望の灯をともすような感動があります。

 

 

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