サム・ペキンパー監督おすすめの映画ランキングTOP5

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サム・ペキンパー監督おすすめの映画ランキングTOP5

そのあまりに過激なバイオレンス描写ゆえ、批判にさらされアルコール中毒になり、晩年は恵まれない人生だったというペキンパーですが、彼の残した暴力に捉われた男たを巡る物語の数々は、今も見る者の胸を異常にアツくさせてくれます。CG全盛の今だからこそ、改めて見直されるべき作品かもしれません。

 

 

第5位.サム・ペキンパー「ゲッタウェイ」

サム・ペキンパー「ゲッタウェイ」がおすすめの理由

ペキンパーの作品の中でも、スティーブ・マックィーンというスターと、相手役にその後マックィーンの妻となるアリ・マックグローという主役ペアを迎えたことにより、メジャーなテイストを持った作品だと言えるでしょう。しかしここで描かれるバイオレンス描写も、逃亡する主役二人への容赦ない「汚し方」も、ペキンパーならではのリアルさだと言えます。ゴミ収集車の中に逃げ込み、ゴミの中に巻き込まれないよう必死になり、広大なゴミ捨て場でやっと「解放」される、印象的なシーン。マックィーンもマックグローも、よくぞこんなシーンに挑んだ!と思ってしまいます。そんなシーンに被せて聞こえてくるのが、叙情あふれるトゥーツ・シールマンスによる、胸をかきむしるかのようなハーモニカの音色。ラストが「犯罪者が逃げ延びて終わる」ことで物議を醸したりしましたが、「それはともかくとして」と言いたくなるような、叙情性とバイオレンスが奇跡のように同居した名作です。

 

 

第4位.サム・ペキンパー「ガルシアの首」

サム・ペキンパー「ガルシアの首」がおすすめの理由

ペキンパー作品常連のウォーレン・ウォーツ主演作ですが、何よりこの映画の主役は、タイトルにもなっている賞金首・ガルシアの「首」でしょう。メキシコの暑い日ざしの中、徐々に腐り始め、ハエがたかり始める「首」。しかしそれは、どん底の人生を変えるための、唯一の宝。この残酷なコントラストが、首を巡って巻き起こるバイオレンス劇を引き立たせます。この賞金首も、大金持ちの娘をはらませた男だという、主人公やその他の賞金稼ぎにとって復讐劇でもなんでもない、ただ「金のため」に見知らぬ男の腐った首を奪い合い、殺しあうという凄まじいストーリー。その、やはり一般受けするとは思えない作品のテーマのため、アメリカでは興行的に惨敗したそうですが、ペキンパーが編集権を握った数少ない作品(そのためバイオレンス描写もふんだんに盛り込まれています)として、ファンからの支持は非常に高く、パキンパーの代表作として推す人も少なくない作品でもあります。

 

 

第3位.サム・ペキンパー「わらの犬」

サム・ペキンパー「わらの犬」がおすすめの理由

ペキンパーが映画の舞台を「田舎町」に設定し、その悪夢をこれでもかと言わんばかりに抉り出し描ききった、壮絶かる衝撃のバイオレンス絵巻です。都会の暮らしに疲れて、田舎に「心と体を癒しに」やって来たインテリという、いわば「定番」の設定に、田舎町の持つ陰湿さ、おどろおどろしさをかくも見事に描き出した本作は、そういった点でも「異色」のバイオレンス劇と言えるでしょう。当初は暴力に抵抗を示していた主人公、ダスティン・ホフマンの「パピヨン」でも見せたような「頭はいいけど腕っ節はからっきし」という適役とも言えるキャラクターが、クライマックスに至り自ら銃を取る、その怖さ。そんな主人公と粗暴な田舎の男との間で揺れる、セクシー過ぎる妻。スーザン・ジョージも、これがまさに「ハマり役」と言えるセクシーさを存分に発揮してくれています。こんな奥さんだったらそりゃあ田舎の若い衆も狂うよな、と思わせてしまうほどの。ペキンパーの現代劇の中でも、特筆すべきインパクトを持った傑作です。

 

 

第2位.サム・ペキンパー「戦争のはらわた」

サム・ペキンパー「戦争のはらわた」がおすすめの理由

ペキンパーによる壮絶なバイオレンス戦争劇にして、戦争映画史上に残る傑作です。「英語を話すドイツ兵」という設定はともかくとして、いち兵士として果敢に戦場に臨み、そして自らと部下を1人でも多く生き残らせることを主義とするジェームズ・コバーンと、原題になっているドイツの名誉勲章「鉄十字章」をもらうことだけにやっきになる上官マクシミリアン・シェルの好対照な構図が、戦場の生々しさをより際立たせます。中盤ではコバーンが負傷のため入院し、病院の看護婦と愛し合うというやや「小休止」的なシーンも挟みつつ、しかし引きとめようとする看護婦に未練もなく仲間と一緒に戦場へ戻っていく、その「戦場中毒」っぷりは見ていて痛々しくなるほどです。それがクライマックスでの、正視に堪えないほどの、凄惨かつ悲劇的な「同士撃ち」シーンへと繋がっていく、この大いなる皮肉。ラストシーンでのコバーンの、いつまでも続く高笑いが、耳に付いて離れません。

 

 

第1位.サム・ペキンパー「ワイルドバンチ」

サム・ペキンパー「ワイルドバンチ」がおすすめの理由

ペキンパーの代表作にして、西部劇の終焉を思わせるようなカタルシスに満ちた、そしてバイオレンスの嵐吹き荒れまくる大傑作です。前半は強盗団の迫力に満ちた強奪の模様をダイナミックに描き、橋の上から馬車が転落するシーンはCG全盛の今となっては撮影不可能であろうと思える名場面です。強盗団の若手が敵に捕まり、一度は仲間をそのまま見捨てるかに思えた、その後に迎えるクライマックス。皆が娼婦たちと共に過ごす中、1人で女を買わず外で待っていたアーネスト・ボーグナインが、決意を決めた主人公・パイクの顔を見て笑い出すシーンの素晴らしさ。映画史上に残る名シーンと言える、「主役たちが横並びで歩き、決戦に挑む」シーンの胸を打つ見事さ。クライマックスの壮絶かつ悲壮感に満ち満ちた一大銃撃戦は、いわずもがなでしょう。敵も味方も、兵士も一般人も教会のシスターすら銃撃の中で死んでいく、その凄まじさはとても言葉では言い表せません。バイオレンス過多な描写が批判の対象にもなりましたが、全ての映画好きな方は必見と言える名作です。

 

 

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